自閉症とアスペルガー症候群

自閉症とアスペルガー症候群については、現代の定義づけによれば違うものだといえるようですが、これもまた諸説あり実際のところはどうなのでしょうか?

 

アスペルガー症候群は自閉症の軽度な例として考えられていますが、近年では、アスペルガー症候群の中には、注意欠陥や多動性障害(AD/HD)や学習障害(LD)などを併発している場合もあり、このような合併障害があることと、「アスペルガー症候群」や「自閉症」という言葉には偏見があることなどを理由に、まとめて「広汎性発達障害(PDD)」や「発達障害」と呼ぶ医師も増えています。

 

以上のことからも自閉症やアスペルガー症候群に対して医師や研究者によって考え方も様々で、一本化された定義というものではないようです。しかし、自閉症とアスペルガー症候群は違うものということではなく、アスペルガー症候群も自閉症の一部であるという考え方が自然ですよね。

 

自閉症の歴史

自閉症について時代を遡れば、1943年にアメリカの精神科医のレオ・カナーが定義を発表して以来、長い間自閉症とは知的障害が伴うものというような捉え方をしていたようです。

 

それが1981年にローナ・ウイングが、現代で言うところの高機能自閉症やアスペルガー症候群のように、知的障害を伴わない自閉症といえる障害を持った人たちが存在し、これらをまとめて自閉症スペクトラムと呼ぶことを提唱して以来、アスペルガー症候群や高機能自閉症というものが知れ渡っていきます。

 

自閉症スペクトラムとは?

1970年代までは、自閉症と言えば「知的障害」を伴う自閉人のことを指していました。したがって知的障害を伴わない自閉症というものは医学的にはあまり認められていませんでした。
しかし、研究が進むにつれて、ローナ・ウイングが提唱したように自閉症は従来考えられていたよりもはるかに広い範囲に分布していることが明らかになります。

 

そこで自閉症をカテゴリーで類別するのではなく、知的な遅れがない例から重度の知的な遅れがある例まで連続した一つのもの(連続体=スペクトラム)という広い概念で考えられ、これを「自閉症スペクトラム」といいます。
なお自閉症スペクトラムは、広汎性発達障害とほぼ同義ですが、スペクトラムの方がやや広義の意味として捉えられています。