アスペルガー症候群の原因として考えられること

アスペルガー症候群の原因は、現在の医学ではまだはっきりとわかっていません。
よく親の育て方や親の虐待など「愛情不足」などが原因といわれることもありますが、これはアスペルガー症候群の子供は、幼児期から漢字を読み書きできたり、算数の計算などが得意だったりすることもあり、これを「勉強優先で親の愛情が不足している」と見られることがあるからのようです。
またアスペルガー症候群であると正しく診断されないと単に「わがままで躾のなっていない子供」とみられることもあります。

 

アスペルガー症候群の「社会性の欠如、コミュニケーション能力の欠如、想像力の欠如」など代表的な行動特徴の多くは認知発達の欠如であることからも、何らかの脳機能の微妙な障害であることはわかると思います。
そしてこの脳になんらかの障害をもたらす原因も一つではないといわれていて、環境や遺伝的要因、妊娠中や出産時、出生後ごく早期の何らかの障害のために脳の特定の部分に障害が生じたものと考えられてもいますが、アスペルガー症候群の原因として確定的なものは未だ解明されていません。
そのために、アスペルガー症候群に対する病院側の対応も、診断、療育支援、二次的症状(うつ・不安障害など)への薬物治療に限られているのが実状です。

 

しかし、仮説として考えられているアスペルガー症候群の原因について下記に解説します。

 

脳の機能障害

アスペルガー症候群の原因として、今現在もっとも注目されているのが、「脳の機能障害説」です。
これは、アスペルガー症候群の要因となるものが、なんらかの先天的な脳の障害であるという説です。アスペルガー症候群の、支援などの取り組みにもこの脳の機能障害という説を基本に考えられています。

 

脳の機能障害説は、近年は実験データなどもそろってきていますので日本国内においても通説となっているようです。そして脳のどこに障害があるのかについては、前頭前野障害説、小脳障害説、脳幹障害説などや扁桃体システム障害説など、国内外実に様々な説がありますが、今も研究が進んでおり、この脳の機能障害がアスペルガー症候群の原因である可能性が高まってきていますが、まだ確定的といえる段階ではありません。

 

家庭環境が原因?

アスペルガー症候群の原因として考えられる要因では、妊娠時の状態や出産時の状況が影響を与えているのでは?という説もありますがこれについても確定的ではありません。
中には子供の育て方が悪かったのかと悩む親御さんもいらっしゃいますが、これについてはなんら医学的根拠はありませんので、アスペルガー症候群と診断さえたら、まずはお子さんに対してどう接するかだけを考えることが大切です。

 

親からの遺伝が原因?

アスペルガー症候群の原因として、親の遺伝が関係しているという報告があります。両親にアスペルガー症候群の病歴がある場合は、その子供にもアスペルガー症候群が発症することがあるということです。
親子で性格が似ていたり、行動が似ていたりということは、同じ環境で育てば確かに似てしまうことはあると思いますが、アスペルガー症候群が発症する傾向については親子で似てしまうのではないか、またなんらかの遺伝子が関係しているのではないかとも考えられています。
しかし、遺伝がアスペルガー症候群の原因であるかどうかは、今現在は医学的な裏づけはないので、これもはっきりと遺伝が関連していると確定的なことはいえないようです。